馴染みのあるものだけど奥深い日本料理
最近では日本でいろいろな料理が食べられるようになりました。中華料理や洋食店のような昔からあるお店はもちろんのこと、イタリア料理店や韓国料理店のような店は近年のトレンドといえるものでしょう。
食事が多様化していくのは歓迎すべきことかもしれませんが、一方で自国の食文化に対する関心が薄れていくのには危機意識を持たなくてはいけません。何より、近年は外国人のほうが日本の食文化をよく知っているという例さえあるのです。
もし外国人に日本料理の魅力を教えてくれないか、と訊ねられた時に困ってしまうようではいけません。今こそ改めて日本料理の楽しみ方を勉強するべき時だといえるでしょう。
お寿司をおいしくたべる順番とは?
日本料理の代表として海外にもよく知られているものの一つにお寿司がありますが、実は日本人にもこのお寿司の楽しみ方をよく知らない人が多いです。
たとえば回転ずし店などにいって最初に注文する際に皆さんは何から注文するでしょうか?店が一押ししているメニューであったり、自分が好きなメニューであったり、きっと人によって様々でしょう。確かにどう注文しようが自由なのではありますが、順番によっては損しているかもしれません。
というのも、例えば最初にアナゴのような味の濃いものを頼んだとしましょう。そうすると口の中にアナゴの味が残り続けてしまって、次のお寿司の味がいまひとつわかりづらくなってしまうという弊害があります。
そうしたことを避けるためには、まず光り物と呼ばれる青魚を注文するのがベストです。タイやヒラメといったお寿司は味が淡泊なので後に残りづらいという特徴があります。その後はホタテやツブ貝のような貝類を食べてまろやかな味わいを楽しみましょう。味の濃いお寿司はそれらを一通り楽しんでからでも遅くはありません。
もちろん誰もがこうした作法にのっとって食べるべき、というわけではありませんし、たとえ作法を知らなくてもお店の人から怒られるようなことはありません。とはいえ、最初からいろいろなメニューを楽しみたいと思っているのなら、このような順番をあらかじめ知っておいて損はないでしょう。
ちなみに、お寿司に醤油をつける際はシャリではなく、ネタにつけた方がよりおいしくいただけます。
日本ならではのダシの楽しみ方
スープなどの味の下地となってくれるダシの文化は海外にもあるものです。とはいえ、鰹節や昆布などを使ったダシはなかなかないので日本ならではのものといえるでしょう。このダシを楽しまなくては日本料理を楽しんだとは言い切れません。そこでまずは昆布だしの魅力について知る必要があるでしょう。
昆布といえばみそ汁や湯豆腐に欠かせないものとしてなじみがあるものですが、一口に昆布だしといっても様々なものがあります。たとえば関東の人がよく使っているものの一つに日高昆布というものがあります。北海道でよくとれる日高昆布は、濃い味のダシが出るというのが特徴です。
一方で、関西でよく使われる昆布には利尻昆布というものがあります。こちらも北海道でよくとれるものなのですが、味は日高昆布とは打って変わって薄味なのが特徴です。関東は濃い味が好みであるのに対して、関西は薄味好み、という定説がありますが、その原因の一つによく使われている昆布が違うから、というのが挙げられるでしょう。
昆布の味の違いを確かめながら、土地ごとの味覚を楽しめるのも日本料理の魅力の一つです。
食器を楽しむのも料理の一つ
日本料理を楽しむうえで欠かせないものに食器へのこだわりが挙げられます。漆塗りのお椀や、しっかりと塗りあげられた茶碗など、魅力的なところを挙げればキリがありませんが、今回は箸に絞って話をしましょう。
実は箸の種類も様々あるのです。私たちになじみがあるのはコンビニなどでももらえる割り箸ではありますが、さすがに日本料理店などに行くと色々な箸に巡り合うことができます。
その中に一つに祝い箸というものがあります。結婚式のようなお祝いの席などでよく見かけるこの祝い箸は箸の両面がとがっているのが特徴です。なぜ両面がとがっているかというと、実は人間だけでなく神様にも食事を採ってほしい、という思いが込められています。お祝いの席には人間だけでなく神様もやってくるものではありますが、その席に神様のための箸がなくては申し訳が立ちません。とはいえ箸を何膳も余計に用意するわけにはいきませんから、解決策として反対側も尖らせるようにしたのです。この箸を使って食べる際は自分だけでなく神様と一緒に食べているのだ、という意識を持ったほうがいいでしょう。
日本料理を楽しむには日本料理店が一番!
普段私たちは和食を食べているはずなのですが、上のほうで取り上げたことになかなか気づかないことが多々あります。
その点、日本料理店などに行くと以上の点をしっかりと踏まえたうえで創意工夫をしているので、日本ならではの味を堪能することができます。改めて日本の良さを知るために日本料理店に行くのも一つの楽しみ方といえるでしょう。
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